MVVとVMVの違いについて

ミッション、ビジョン、バリュー?それともビジョン、ミッション、バリュー?

組織の理念であり、企業の方向性を決める上で欠かせない、ミッション(MISSION)・ビジョン(VISION)・バリュー(VALUE)。ブランディングを行う上でも切っても切れない大切なものです。

ミッション(MISSION):果たすべき使命

企業が何のために存在するのか?企業の存在意義や社会に対する役割を定義するものになります。

ビジョン(VISION):目指すべき未来、実現したい社会

企業や組織が目指す未来像や理想の姿を表すものです。

バリュー(VALUE):行動指針や価値観

「行動指針」や「価値観」を示し、より具体性を持ったものです。


また、キャッチコピー、タグラインなどは、実際にユーザーや消費者に届けるメッセージとして、ブランドの考えや存在をわかりやすくしたものになります。

ミッション、ビジョン、バリューを決める上で、MVVとVMVの考え方があります。

・MVV型:ミッション(MISSION)・ビジョン(VISION)・バリュー(VALUE)
・VMV型:ビジョン(VISION)・ミッション(MISSION)・バリュー(VALUE)

ミッションを先にたてて考えるのか、ビジョンを先にたてて考えるのか。どちらを前提にするかよって、考え方が変わってきます。


1:MVV型
ミッション(MISSION)・ビジョン(VISION)・バリュー(VALUE)

MISSION:企業が何のために存在するのか?を前提に考え、それを実現するためのビジョン(VISION)とバリュー(VALUE):行動指針を決めていきます。

この時のビジョンは中期的な目標などという場合もあります。

例えばソニーはビジョンに中期的な目標と記載がありますし、5年後や10年後の未来より具体的な目標を掲げているケースもあります。より具体的なビジョンを定めている企業が多いというのが特徴です。

企業の価値観を前に押し出すことで、一貫したブランドメッセージを構築していきます。


例としてデジタル庁を見てみます

デジタル庁:MVV型

ミッション(MISSION):

・誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を。


ビジョン(VISION):

・優しいサービスのつくり手へ。
・大胆に革新していく行政へ。


バリュー(VALUE):

・一人ひとりのために
・常に目的を問い
・あらゆる立場を超えて
・成果への挑戦を続けます


キャッチコピー:
デジタルで社会をあたたかく。

 

また、MVV型の方が、一般的には多い気がします。
多くの企業がこちらを取り入れているケースが見受けられます。

では、次にVMV型をみてみたいと思います。

2:VMV型
ビジョン(VISION)・ミッション(MISSION)・バリュー(VALUE)

「目指すべき未来」ビジョン(VISION)を最初に定め、それを実現するためのミッション(MISSION)と、バリュー(VALUE):行動指針を決めていきます。

こちらのタイプは、ビジョンが前に来ることで壮大な夢や長期的な未来をビジョンとして掲げ、そこに向かって前進するようなイメージです。

バリュー、ミッション、ビジョンと下の階層に行けば行くほど、より具体性が増すイメージです。


例としてリクルート・ホールディングスを見てみます

ビジョン(VISION):

Follow Your Heart
一人ひとりが、自分に素直に、自分で決める、自分らしい人生。本当に大切なことに夢中になれるとき、人や組織は、より良い未来を生み出せると信じています。


ミッション(MISSION):
まだ、ここにない、出会い。
より速く、シンプルに、もっと近くに。

一人ひとりが、自分に素直に、自分で決める、自分らしい人生。本当に大切なことに夢中になれるとき、人や組織は、より良い未来を生み出せると信じています。


バリュー(VALUE):

・新しい価値の創造 / Wow the World
・個の尊重 / Bet on Passion
・社会への貢献 / Prioritize Social Value


キャッチコピー:
まだ、ここにない、出会い

スキマバイトサービスを展開する「タイミー」、色々な事業を展開する「サイバーエージェント」もビジョンを先に立てて展開をしています。

ではMVV型とVMV型について、まとめたいと思います。

MVV型:すでに安定している企業
VMV型:スタートアップ企業

MVV型:リアリスト:本質的な価値観を構築

どちらが正しいということではないですが、私はMVV型はすでに安定している企業、ある一定の道を歩んできた企業の方がよりマッチすると考えます。

すでに安定したビジネスモデルを構築している、明確は事業がある場合、より企業の意思やカルチャーを浸透させたいフェーズの方がマッチします。

自分たちの使命、何をするのかを中心に考えていくスタイルです。3年後や5年後など中期的な具体的な未来に向かって進んでいきます。

 

VMV型:「夢追い人:ロマンある未来を目指す」

逆に、VMV型はスタートアップの方が、もしくはそういうスタートアップマインドがある企業の方が、よりマッチすると考えています。

今から物語が始まるスタートアップは具体的な未来ではなく、より高い未来を描いていく方が、夢やロマンがあり、企業としての魅力を伝えることができます。

「どこに向かうか?」を中心に考えていくスタイルです。長期的なブランドストーリーを描いていきます。

MVV型とVMV型。夢に向かって走り出したところなのか、ミッションとビジョンをどちらを上に立てるかによって考え方が変わってきますし、それともすでに安定したビジネスモデルが確立しているのか企業のステージによっても変わってきます。

大手の会社も途中からミッション、ビジョン、バリューがアップデートされることもありますし、企業によっては、MVV型でもなく、VMV型でもないスタンスで語るケースも見受けられます。型に縛られのではなく、自分たちの企業にあった型を探していくことが大事です。